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2008年、北欧の小さな国、エストニアで若者9人が、不法投棄されたゴミがあふれた森林をきれいにしようと国じゅうに呼びかけました。「Let's Do It 2008」と命名されたこのクリーンアップ運動には1日で5万人以上(エストニアの人口の約5%弱)のボランティアが参加し、わずか5時間で1万トン以上の不法投棄ゴミの除去に成功しました。

人口の5%が一致団結して課題解決のために行動するという市民運動の力を見せつけた、このサクセスストーリーに端を発し、人口の5%の参加を目指すクリーンアップ運動がヨーロッパ各国、そしてアフリカ、アジアへと広まり、2018年から世界各国で同じ日(9月第3土曜日)に地球を一斉にキレイにする「WORLD CLEANUP DAY」として実施されました。第1回の2018年には157ヶ国で1760万人が参加し、この活動が評価され、主催団体であるエストニアのLet’s Do It Foundationは、2018年ユネスコ/日本ESD(持続可能な開発のための教育)賞を受賞しました。https://www.mext.go.jp/unesco/004/1409425.htm

その後、主催団体がNGO Let’s Do It Worldに再編され、毎年「WORLD CLEANUP DAY」が実施されてきました。2019年には180ヶ国2120万人、2020年には166ヶ国1100万人、2021年には191ヶ国850万人、2022年には190ヶ国1500万人が参加し、WORLD CLEANUP DAYを通じて推計で20万トン以上のごみが世界中で拾われました。

日本でも2018年、駐日エストニア大使館の支援を受けて「WORLD CLEANUP DAY」を開催しました。特に2018年はエストニア建国100周年でもあり、メイン会場では、WORLD CLEANUP DAYの紹介と合わせて、日本・エストニア友好協会のご協力のもと、エストニアの文化を紹介するイベントも開催しました。
2019年からは「海と日本PROJECT」の一環として、日本財団・NPO法人海さくら・WORLD CLEANUP DAY日本事務局の共催で「WORLD CLEANUP DAY」を実施してきました。そして2022年、NPO法人WORLD CLEANUP DAY JAPANを設立し、引き続き「海と日本PROJECT」の一環として「WORLD CLEANUP DAY」を運営・実施しています。

特に日本は、海に囲まれた島国であり、「母なる海」と形容されるように私たちは海から多くの恩恵を受けています。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子供たちをはじめ全国の人たちが「自分ごと」としてとらえ、キレイな海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていけるように、関係者一同、頑張っていきます。
また、海のごみは川・山・街から来ていますので、海での活動のみならず、川・山・街でのクリーンアップ活動とも連携し、日本ならではの市民運動となっていければと願っています。

WORLD CLEANUP DAY 2023は、WORLD CLEANUP DAY 当日の9月第3土曜日(2023年9月16日)を含め、2023年9月1日から30日までの間、実施いたします。世界各国で実施される「WORLD CLEANUP DAY」に是非みなさんの位置でクリーンアップ活動にご参加いただき、世界とつながり、また世界に発信していただければと存じます。ご協力を何卒よろしくお願いいたします。

  • 日本財団
    常務理事 海野光行

    海野光行

    話題となっている海洋ごみ。これは、人間が地球上に現れてから、ずっとついてまわる問題でもあります。私たちは、ごみを出さざるを得ない。では、私たちはきれいな海を次世代に渡せるのでしょうか?

    「海ごみは、どこで発生するのか?」「プラスチックはどのようにリサイクルされるのか?」など、正しく理解すること、そして行動にうつすことだと考えます。

    日本財団では、海洋ごみ対策のために産官学民が一体となって、それぞれ自分達が得意とするフィールドで解決していくプロジェクト「CHANGE FOR THE BLUE」を実施しています。「民」の代表として、2015年より共に活動するNPO法人海さくらさんと「出てしまったごみの後片付け」に、参加したくなる楽しさを付加し、沢山の人達と行動にうつして頂きました。今回も新たなパートナーと、海のために行動する人の輪が広がっていくことに期待しております。共に頑張りましょう。

  • NPO法人海さくら
    理事長 古澤純一郎

    古澤純一郎

    我々NPO法人海さくらは、神奈川県藤沢市にある江の島を中心に「目指せ!日本一楽しいごみ拾い」を合言葉に2005年から活動をしております。17年間、海辺でごみを拾い続けておりますが、次から次へと拾っても拾っても、ごみはやってきます。

    2008年にエストニアから始まったWORLD CLEANUP DAYという市民運動は、今や全世界に広がり2019年には2120万人が参加され、環境への関心を高めてきました。

    今、海のごみは、ほとんどが人間の生活から出てきたもの。2019年からWCDの日本のリーダーを任されることになり、世界とつながるなかで、情報の共有をしながら、そして色々な手法を勉強させていただきながら、この海に囲まれた日本ならではの伝え方環境に関心を高める挑戦に繋げていきたいと思います。

    世界同時に「一緒に地球をキレイにしましょう!!」

  • NPO法人WORLD CLEANUP DAY JAPAN 代表理事
    Let's Do It! / 日本担当
    浅井孝夫

    浅井孝夫

    エストニアの少人数の若者たちの情熱が、今や「WORLD CLEANUP DAY」となって、全世界に広がっています。終わりのないごみ問題であっても、人々が協力して一つの課題に取り組むことで必ず解決の方向に向かい、その結果、私たちが住みやすい持続可能な社会を作っていけると信じます。

    私たちは2023年、「WORLD CLEANUP DAY」が国連で正式に採択されることを目指しています。「WORLD CLEANUP DAY」が、より多くのみなさまにとってごみ問題を意識していただくきっかけになれたらと願います。

    日本各地で清掃活動を実施してこられたみなさまも、今まで清掃活動に参加したことのないみなさまも、2023年9月、身近なところからごみを拾って、SNSでも発信し、世界の人々とつながり、大きなムーブメントにご参加いただければと存じます。

  • NPO法人WORLD CLEANUP DAY JAPAN 代表副理事
    日本・エストニア友好協会
    事務局長 荒井秀子

    荒井秀子

    エストニアの森林クリーンアップから始まった市民活動が、世界に反響を呼び、10年後の2018年にはWORLD CLEANUP DAYとして世界180カ国が参加する大イベントに成長、2019年にはさらに200カ国、2000万人以上の参加者に広がりました。コロナ禍の昨年は、各国の状況を考慮し、タバコの吸い殻集めやパソコンの不要データ削除など身近なところからクリーンアップをとの呼びかけもなされました。

    一年に一度、「世界と繋がりみんなで地球を丸ごとクリーンアップする日」ワールド・クリーンアップ・デーに皆さんも参加してみませんか?

  • NPO法人WORLD CLEANUP DAY JAPAN 理事
    日本・エストニア友好協会
    理事 曽根原 千夏

    曽根原 千夏

    環境を守る、地球をキレイにする、というととてつもなく果てしないことのように思います。しかし、北欧の小国であるエストニアのたった9人の「森林を守りたい」という思いが、行動となり、積み上がり、広がったのがWORLD CLEANUP DAY。一人じゃなく、みんなで一緒にすること、小さくてもやり続けることが、大きな力になることを教えてくれました。そして、国境や人種を超えて、ひとつの地球をみんなで大切にするという、壮大なロマンを感じます。

    今年は、あなたも一緒に!